親族を喜ばせた王子
カピラヴァットゥにて、スッドーダナ王の妃マハーパジャーパティー・ゴータミーが一人の王子を産んだ。註釈書は、命名の日にこの子が集まった親族を喜ばせたので、親族は彼をナンダと名づけたと伝える。喜びを意味する語である。
ナンダは並外れて美しい若者に育った。律蔵は彼の容姿をそのまま記している。容色すぐれ、見る者の目を喜ばせ、世尊よりわずか四指幅だけ背が低かった——この一点は、後にもう一度意味を持つことになる。
法輪を転じられた後、釈尊はスッドーダナ王が幾度も遣わした招請に応じ、ラージャガハからカピラヴァットゥへと向かわれた。法句経の註釈書は、カールダーイー長老が道の様子を讃えて先導し、釈尊は親族の集いにおいて大ヴェッサンタラ本生を説かれた、と伝える。
翌日、托鉢に入られた釈尊は「ウッティッテー・ナッパマッジェッヤ」で始まる偈をもって父王を預流果に安立させ、続いてマハーパジャーパティー・ゴータミーを預流果に、王を一来果に安立させられた。
王家の人々は、こうして一人また一人と法に入っていった。そして同じ屋敷で、その二日後、ナンダ王子の婚礼が行われることになっていた。